駅前立地以外でも出店できるのが特長

今、コンビニ業界では狭小スペースへの出店が増えていますが、コインランドリー業界では何か出店のトレンドはありますか?

例えば、ここ数年、増えているのは、売上が減少したクリーニング店の一部をコインランドリーに改装するケースです。クリーニング店なら既に店員さんがいるので、コインランドリーの集金や清掃作業も担ってもらうことができるのがメリットです。

立地の条件や特徴はありますか?

例えば、駅前立地ではなくても経営が成り立つのはコインランドリーならでは。大通りに面していないマンションの1階はテナントが埋まらないことも多いですが、コインランドリーはどんな立地でも世帯数さえあれば大丈夫。そう考えれば、空室リスク回避のために物件オーナーさん自身でコインランドリーを運営するのもアリかなと。

最近では大型商業施設にも出店していますね。

弊社としてもチャレンジでしたが、来店者数が桁違いなのでほんの一部の方が使ってくださるだけで十分売り上げが出ています。駐車場から直接アクセスできる区画にあるのでお客様も入りやすいようです。

(左)ららぽーと堺に出店(右)マンションへの出店例

コロナ以降、衛生意識が向上し出店数が増加

コロナによる業界の変化はありましたか?

コロナが始まって最初のゴールデンウィークは、すごく売り上げが伸びました。外出自粛期間中でもコインランドリーは不要不急の外出にあたらないので、息抜きがてら来店する人も多かったようです。

衛生意識も非常に高まって、家の中の布類を全て洗いたいというニーズも増えましたし、利用者は年々増えています。

確かにここ数年、店舗数も増えていますね。

はい。一方でコインランドリーは飽和状態だと言われることがありますが、それを上回るように利用者数が増えているので、まだまだ出店余地はあります。新規オープン店の売り上げは毎年伸びており、コインランドリーが生活に浸透してきているのを実感しています。

今後もまだ伸びそうですか?

そうですね。衛生意識の高まりだけではなく、共働き世帯がますます増え、一気に家事を片付けるためにコインランドリーを使う方が増えていますから、これからも出店数は伸びると思います。

洗濯プラスαの価値で差別化

今後の展望を教えてください。

おしゃれなカフェのようなコインランドリーは増えていますから、差別化が必要になってくるでしょう。出店数と利用者数を増やしていくための一手として、弊社ならではの防災的役割や社会貢献を情報発信していきたいと思います。また、質を維持するために平準化も必要ですが、今後は、それに加えて、出店パターンを何種類も持っておくことが大事かなと思います。

洗濯+αの価値ということですね。そういう意味では、コミュニティづくりを重視した狛江の店舗は面白いですよね。

そうですね。狛江のFC運営をされている企業様が地域活性化や社会貢献に関心が高く、私たちの思いに共感していただけたのが大きかったです。狛江店があるのは消防署や中学校のあるエリアなので、災害時には店舗周辺に多くの避難者が集まることが想定されます。地域と連携し、災害時にはランドリー機器の無償提供などの協力も行いたいと考えています。

また、コインランドリーを利用しない方でも自由に待合スペースを使うことができます。コーヒーの自動販売機も設置していますから、家に閉じこもりがちなお年寄りの方などが立ち寄って井戸端会議に使ってもらえるようになれば良いなと。

そのようなコミュニティ重視のコインランドリーは今後も増えそうですか?

そうですね。業界全体でも増えています。昨年開催されたコインランドリーアワードでは、弊社の小清水町店がUI/UX賞を受賞しましたが、他にも、店舗の中に広いコミュニティスペースを設けた事例や、豪雨災害のために営業できなくなったコインランドリー店が、支援物資の配布拠点になり、社会貢献した事例などが表彰されていました。このことからもコインランドリー×コミュニティは、今後ますますキーになってくると思われます。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

今回、取材に応じていただいた企業様

株式会社OKULAB

株式会社OKULAB

本社所在地
東京都渋谷区元代々木町4ー5
設立
2016年8月19日
事業内容
ランドリーサービスFC展開、ランドリーサービスの海外展開、洗濯ソリューションサービスの企画・開発・提供、企業アライアンスなどに関するコンサルティング
Webサイト
https://okulab.co.jp/