就業人口の約半数を占める「ノンデスクワーカー」

日本国内の総就業者の約半数が、どんな人々かご存じでしょうか。
国勢調査における職業分類別の就業者数をみると、総就業者数5,767万人のうち、デスクワーカーの1,614万人(28%)に対して、「ノンデスクワーカー」は3,013万人(52%)とデスクワーカーの約1.9倍であり、総就業者の半数を超えるとされています。

*人手不足問題の解決に向けて(第1回)~ノンデスクワーカーの実態と課題~

「ノンデスクワーカー」と聞くと、小売業における接客や配送などの業務を担う人々のイメージが強いかもしれません。
しかし、その職種は多岐に渡り、デスクワーカーが働くオフィスにおいても、設備管理や清掃など多くのノンデスクワーカーの方々が安心安全で管理の行き届いたオフィス環境づくりを担っています。

深刻化する人手不足問題の「核」

そんなノンデスクワーカーですが、高齢化など多くの課題を抱えており、2040年には約800万人不足するとされています。
さらに、ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)は、2023年5月から2回に渡って発表したレポートで、労働市場の「人手不足」の問題の核心がノンデスクワークにあることを示してきました。

*人手不足問題の解決に向けて(第 2 回)~ノンデスクワーカーはどれだけ不足するのか~

本レポートでは、ノンデスクワーカーの人手不足に対する解像度を高めるために具体的な職業を掘り下げるべく、ザイマックス総研の主要な研究対象であるオフィスビルの現場を支える「清掃・警備・設備管理・工事」の4業種に焦点を当てています(公開日:2024 年 3 月 29 日)。

商業施設や商業ビルで働くノンデスクワーカーの実情や課題と重なる部分も多くあるため、将来における「人手不足」問題対策の参考となれば幸いです。

調査概要

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.1.8」職業情報提供サイトjob tag(日本版O-NET)より2023年3月31日にダウンロードをザイマックス総研にて加工して作成。
元データには全494職業の「仕事の性質」を表す39項目について、JILPTが平成30年および令和元年に実施したWeb就業者調査(各職業60名、有効回答約2万6,000人)に基づく点数が設定されている。

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