就業人口の中核「ノンデスクワーカー」不足と追加調査

日本国内の総就業者の約半数にあたる「ノンデスクワーカー」(※)が将来に渡り、深刻に不足するという予測を前回のコラムでお伝えしました。

※デスクではない「現場」で働くことが主な業務となるワーカーを指す。

ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)では、商業施設の運営にも欠かせないノンデスクワーカーの一つである「ビルメンテナンス事業」、
そのうち、 ①清掃業 ②警備業 ③設備管理業 を営む3事業者を対象に追加調査を実施。
人手不足問題への対策についてまとめたレポートを発表しました。

【図表】清掃業 ・警備業 ・設備管理業いずれかを営む事業者の人手不足の状況(n=369)

清掃業 ・警備業 ・設備管理業の人手不足対策

今回調査対象とした3事業者の多くは、上記のグラフが示すように人手不足を感じており、各々が実施している人手不足への対策は以下の通りです。

①清掃業

「業務の外注・再委託の強化」(40%)が最多。
清掃業務を自社の人員だけでは対処しきれない場合に外注・再委託で対応していることがうかがえる。
また、これまで専門的な業務などを外注・再委託していた先でも人手不足が起こり、外注・再委託先のネットワークを増やしているケースもあるだろう。

②警備業

「警備空調服(空冷グッズ)導入などによる快適・安全な装備品の充実」(49%)が最多。
そのほか、「現場の休憩室・仮眠室などの環境改善の働きかけ(または自社で対応)」(19%)、「座哨(ざしょう)警備(※)導入などによる身体的負荷の軽減」(12%)といった施策にも一部の事業者は取り組んでいる。

※座ったままで行う警備

③ 設備管理業

「資格取得の奨励・技術大会の開催、参加」(40%)が最多。
一部ではあるが「研修センターなどでのOFF-JTによる人材の早期戦力化」(10%)にも取り組んでおり、従業員のスキルアップに注力している様子がうかがえる。

本編では上記調査の詳細に加え、人手不足の要因、調査に回答した事業者の生の声なども掲載しています。
ぜひ、以下リンクより調査本編をご覧いただき、「人手不足」問題対策の参考としていただけたら幸いです。

調査概要

調査期間:2024年6月3日~6月30日
調査対象:
 東京商工リサーチ(TSR)データより抽出した計5,461社
 【売上】1,000万円以上
 【業種】ビルメンテナンス業・その他建物サービス業・警備業を「主」(1位登記)とする企業
有効回答数:369社(回答率:6.8%)
調査地域:全国
調査方法:Web回答による

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