オフィスの分散化が加速。都心から郊外へと出店範囲を拡大。

今後は、郊外や住宅地への出店を増やす方針だとか。

はい。ただ、郊外に出店したくても、住宅地にはなかなか賃貸オフィス物件がないのが悩みの種。そういった難易度の高いエリアについては金融機関の余剰床やショッピングセンター、スーパー内にも積極的に出店をしていますが、場合によっては、空き地にトレーラーハウスのような簡易的な建物を設置して出店する選択肢もあるかと思います。

(左)2021年10月、川崎市内にオープンした「ZXY登戸3」。ユニットハウス内に執務環境と通信、排水設備などを整え、高架下の余剰地に設置した。
(右)「ZXY調布」が入居する西友調布店。

それなら設置も撤去も簡単ですね。

技術的には難しくないですし、土地さえ見つけられればできるのではないかな、と。それ以外に検討しているのは、BOX型の1人用ワークプレイスです。

1人用のBOXですか?

はい。それを大型ビルのエントランスに設置して、そのビルで働くワーカーがWEB会議など必要な時だけ共用部に移動して利用してもらうイメージです。

コロナ以降、WEB会議がかなり増えましたが、本社の中でそれができる個室スペースを確保するのって難しくないですか?

個室じゃないと、雑音や背景の映り込みが気になりますよね。

緊急事態宣言が解除されるとどの企業も出社率が高まる一方、本社に出社した人が頻繁にWEB会議するとなると場所の確保が大変になるでしょう。

まずは試験的に1.2万人くらいのワーカーがいる大型ビルのエントランスに4基設置してみる計画です。

最近は、駅でもBOX型のワークブースを見かけるようになりましたね。

私たちも駅に設置したいのはやまやまですが、駅ならではの法律や管理上の制限があるので、設置やメンテナンスがかなり難しいんです。

ZXY(ジザイ)でも何店舗かは駅ナカに出店していますよね? 

あれは駅ナカのように見えますが、改札の外なので上記のような制限はありませんでした。イレギュラーな場所に出店してみて、テナントビルは賃貸借契約も工事もやりやすいんだな、よくできてるな、って痛感しました(笑)。だからこそ、オフィス用途ではない物件や土地にZXY(ジザイ)のようなワークプレイスを生み出していくことに価値があるのだと思います。

小田急線駅の改札横に出店した例
(左)ZXY和泉多摩川(中央)内部個室の様子(右)ZXY座間

最後に、今後の展望をお聞かせください。

今後ますますワークプレイスの分散化が進むにつれて、サテライトオフィスのユーザーは増加するでしょう。ZXY(ジザイ)も会員数が50万人を突破したとはいえ、首都圏のワーカーは350万人といわれていますから、まだまだ伸びしろがあると思います。

より多くのZXY(ジザイ)ユーザーさんが便利に使えるよう、更に出店数を増やしエリアの網羅率を高めたいです。また、将来的には地方都市への出店も視野に入れています。

確かに、出張した時に作業したくても場所がなくて困ることがあります。

そうですよね。ZXY(ジザイ)が目指すのは、ワークプレイスのインフラとして名実ともに認知されること。そのために、街を歩けばすぐにZXY(ジザイ)が見つかるとか、1~2駅移動すればZXY(ジザイ)にアクセスできる、というような状態を実現させたいと思います。

今回、取材に応じていただいた企業様

株式会社ザイマックス

株式会社ザイマックス

設立
1990年3月1日(平成2年) 株式会社リクルートより分社独立
本社所在地
東京都港区赤坂一丁目1番1号
事業内容
不動産マネジメント業、サテライトオフィスサービスZXY(ジザイ)の運営等
Webサイト
https://www.xymax.co.jp/
サービスサイト
https://zxy.work/