内見はなぜ必要?

貸店舗の場合、設備や動線、周辺環境など図面や資料だけでは分からない情報が沢山あります。そのため、物件を実際に見ることができる「内見」はとても重要です。特に居抜き物件は、内見しないと分からない情報が多いのが実情です。

内見はどのタイミングで行うべき?

一般的に、内見は出店申込書を出す前に行います。しかし、住宅やオフィスと違って、店舗の場合、出店申込書はあくまで「検討可能ですよ」程度の位置づけであり、民法上の効力はありません。したがって、大手チェーンの中には、面積や立地条件だけで出店可能と判断したら取りあえず申込書を出して、商談が進んだ段階で内見に入ることもあります。
しかし、テナントが個人事業主で出店に不慣れな場合や、居抜きの場合は、申込書を出す前に内装業者と一緒に内見してもらった方がベターでしょう。内装業者に同行してもらうのは、物件や設備の状態を実際に見て、工事の見積もりを出してもらうためです。

内見前に仲介が準備しておくこと

内見前にできる限りの情報をテナントと共有しておきましょう。ミスマッチをなくし、内見をスムーズに進めることができます。

1 用途地域

用途地域によっては営業できない業種や提供できないサービス、営業時間など自治体ごとの決まりがあります。ネット上では公開されていない場合は、自治体の窓口で確認します。

参考:店舗仲介で知っておくべき「用途地域」3つのポイント

2 引渡し状態

居抜きかスケルトンかで、内装設計の自由度や工事費が大きく変わってきます。

参考:工事区分(A,B,C工事)とは?仲介時は何に注意すべき?

3 図面

平面図や間口などが分かる図面はオーナーから早めにもらって、テナントに渡しましょう。図面からレイアウトを引き、事業計画をクリアできるかテナントに確認してもらいます。

4 設備のスペック

特に飲食業の場合、業種・業態によって必要な設備スペックは全く異なります。前テナントが同じ飲食業でも、追加の工事が必要になるケースがあるため、可能なら事前にオーナーに電気、ガス、給排水、給排気、換気のスペックを確認し、テナントに伝えておきます。

5 物件のソフト面

ヒアリングが可能な場合、前テナントの退去理由を事前にオーナーに確認しておきましょう。

内見時に注意したいポイント

①図面に間違いがないか?

まずは、面積や天井高、間口や専用階段、エレベーターの位置など案内資料に間違いがないか確認します。例えば、専有面積はレイアウト=売上に直結する重要な情報ですが、実は共有部を含んだ面積表示になっていた、など基本的な情報が間違っている場合もあるのです。
次に、フロアの形をよく見ましょう。デッドスペースがあると、レイアウトが非効率になり座席数が減ったり、スムーズな動線設計ができなかったりする可能性があります。この時、床の不陸(傾き)も確認します。

②インフラ設備

特に注意すべきなのは、電気やガス、給排水、給排気、換気の設備状況と容量です。特に飲食業の場合、それらが不十分だと、希望の厨房機器が使えなかったり、増設工事に想定以上の金額がかかってしまったりします。また、排気や排水の立ち上がりの位置によってはレイアウトに制限がかかることがあります。

③周辺環境

また、内見の前後には、近隣の情報(近隣店舗や工場からの臭いや騒音がないか?など)・周辺施設(学校、オフィス、駐車場等)を調べましょう。また、商圏バリア、歩行者や車の交通量(時間帯による違いも)、周辺店舗や競合店の客単価など現地でなければ分からない情報も把握しておくことも望ましいでしょう。

参考:商圏調査の方法、何をどうすればいいの?

④共有設備

テナントビルや商業施設の中に区画がある場合、共有設備の確認も忘れずに。
例えば、非常階段やエレベーターの有無、ゴミ置き場、郵便ポスト、防犯設備(防犯カメラ、シャッター)、バリアフリー対応(段差、手すり、スロープ)、エントランスなど。チェック項目が多いため、こまめに写真を撮ります。

⑤物件の外側

道路からの視認性や、駐車場の入りやすさ、間口の広さなどは、売上を左右する大事なポイントです。また、看板の位置や大きさ、装飾規定などもチェックしましょう。
また、ダクトや室外機、給湯器、メーターの位置と状況、物件の外壁や窓の状況、害獣・害虫が店内に侵入したような痕跡や穴がないかにも注意してください。

飲食店の居抜きは、とにかく設備に注意!

飲食店の居抜きの場合、「厨房機器、ダクト、グリストラップ、電気、ガス、水道、冷暖房」は要注意です。正常に動くか、音やパワーに問題がないか動作確認をしっかりすること。また、グリストラップに汚れや詰まりがないかもよく見ます。
高額な厨房設備を引き継げるのは居抜きのメリットですが、中古である以上、故障のリスクがあります。その場で細かく調べるのは難しいので、厨房機器に貼ってある商品ラベルを撮影し、後でサイズや容量を調べて判断するのが良いでしょう。
また、譲渡物の中にリース品があれば、残債額や支払い義務は誰にあるのかなど契約内容も併せて確認します。

参考:居抜き物件とは?メリットとデメリットを徹底解説

まとめ

テナントだけでなく仲介業者のあなた自身も内見の注意点を頭にいれておくことで、その後の商談のフォローが格段にしやすくなります。内見の際には、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。