立地

店舗探しで最も重要なのが立地です。交通量が多いのに客入りが悪い店もあれば、人通りが少ないのに行列ができる店もあるのはなぜでしょう?それは、立地の特徴とターゲット、客単価想定がいかにマッチするかにかかっているのです。以下に代表的な立地の特徴をまとめました。あなたの出店コンセプトにぴったりハマる立地はどんな場所ですか?

①商店街

他店の買い物客の流入を見込める。商店街の活性化を目的に空き店舗入居者への補助金制度を行う自治体も多い。

②繁華街

曜日や時間帯に関わらず幅広い属性の来街者が多いのが一番の特徴。競合店が多い分、通りがかりの客が入店しやすい工夫(メニュー看板、造作等)や他店との差別化が必要。

③住宅街

新興住宅街なのか単身者世帯が多いのか等エリアの特性にも拠るが、一般的に坪単価が安め。平日利用が見込める女性客や地元民、ファミリー客などがメインターゲットになる。

④オフィス街

曜日や時間帯によって客入りが大きく異なる。ビルインであれば特に臭いや煙、看板等の制限も事前に要確認。

⑤駅前

都市部の駅前立地は早朝から夜間まで人通りが多く認知度が高いので広告費が抑えられる。その分、坪単価は割高だが、時間帯ごとに変化する客層に合わせた工夫をすることでより集客が見込める。

⑥ロードサイド

商圏が広く駅前立地よりも坪単価が低い。とにかく運転しながらでも分かる視認性の良さと車でも入店しやすい立地が何より重要。

面積

業種ごとに適正面積のおおまかな目安があります。例えば、クリニックなら30~100坪、焼肉店なら20~50坪、カラオケなら80~100坪といった具合です。更に、飲食店では提供するメニューによって必要な厨房の広さが異なり座席数にも影響してきます。例えば、フード提供がメインの一般的なファミリーレストランなら厨房の比率は約4割、ドリンクメインのカフェなら約2割と言われています。 適正面積の過不足があると設備や什器が入りきらない、座席数が足りず売り上げが達成できない、余剰スペースがあり無駄な家賃が経営を圧迫するなどの不利益が生じます。面積を算出する際には、売り上げや客席稼働率、設備・什器などの観点も忘れず入れましょう。また、希望する面積よりも広すぎる場合には区画を分割できる可能性もありますので、オーナーに交渉するのも手です。

業種の受け入れ可否

エリアや物件によっては、以下のような理由で業種が制限されるケースがあります。

①用途地域

自治体の条例によって用途地域に指定されているエリアのうち、住居専用地域、住居地域、準住居地域に該当する場合、一部の例外を除き原則、店舗を出店する事ができません。

②物件のスペック

例えば、飲食店の電気、ガス容量や排気経路、美容院の給排水設備、パン・製菓業なら什器の重量制限などのスペックが入居の妨げになる場合があります。内装工事費に大きく関わる点であり、入居後のトラブルを防ぐ為にも必要な設備スペックを事前に確認しておきましょう。

③オーナーの意向

オーナーの想定業種と異なる、店のコンセプトがビルのイメージに合わないなどオーナーの意向でNGが出る場合もあります。特に飲食店では、煙や臭いが懸念されるケースが多いようです。NGが出ないまでも看板や外観、内装にオーナーから制限が出される場合も。事前にお店のコンセプトやイメージパースをオーナーに共有するなど了解を得ながら交渉をうまく進めましょう。

資金計画

長くお店を営業するには初めの資金計画が大事。中でも家賃は人件費や原価に次ぐ毎月の大きな出費となります。飲食店であれば売上の10%以内に収めるのが一般的。とはいえ、店舗の立地や階数によって賃料は千差万別。ショッピングモール等では歩合家賃になるケースもあります。物件を探す際、月額家賃で表記しているサイトやチラシがありますが、必ず坪単価(1坪=約3.3㎡あたりの賃料)で確認しましょう。物件のグレードや立地の価値が分かりやすく、複数物件との比較がしやすいからです。店舗に強い不動産会社にトレンドを聞くなど、近隣のマーケットを把握してから交渉するのが大事です。 また、出店にあたっては入居工事や前家賃、看板工事、販促費用など様々な初期費用が掛かります。ちなみに同じ賃貸でも住宅と店舗では大きく異なる点が多々あるので要注意。例えば、敷金・礼金は住宅では賃料の1~2ヶ月分が相場ですが、店舗の場合、物件規模や契約時期にも拠るものの相場は賃料の6~12ヶ月分です。

その他

①引き渡し条件

前テナントが残していった設備や什器を引き継いで入居する居抜き物件ならば、入居工事費用を抑えつつ短期間で営業開始することができます。ただし、内装造作に制限が出る可能性や、残置設備や機材のトラブルの可能性も頭に入れておきましょう。

②駐車場

駅前立地など一部を除いて、駐車場の有無や車での出入りのしやすさが売り上げに直結するケースもあります。近隣店舗の現状を確認した上で、売り場面積や座席数から必要な駐車場台数を割り出し確保しましょう。場合によっては近くのコインパーキングと提携する方法もあります。

まとめ

膨大な物件情報からやみくもに物件を探すのではなく、ここで解説したポイントを自分の店に当てはめて物件を探してみて下さい。
インフォニスタでは全国の貸店舗物件を検索できる機能や、非公開物件のオファーなど出店したい方に役立つサービスをご用意しています。簡単な会員登録で入会でき、サービス利用料は無料ですので、ご興味のある方は是非ともご利用ください!